要約:稲田和瑛さんに「ライターの今後」や「AI」について聞く雑談会

※AIツールを利用して文字起こしをして要約しました。

実際の内容と相違している部分もあるので、参考資料としてお使いください。

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ライターの今後とAI活用に関する稲田和瑛氏へのインタビューまとめ

はじめに
本稿は、稲田和瑛氏(以下、稲田氏)をゲストに招き、ライターの今後の展望やAIの活用について伺ったインタビューの内容を網羅的にまとめたものです。
<u>注意:本インタビューの内容に関するSNS等への感想の投稿は、諸事情によりお控えいただくようお願いいたします。</u>

1. 稲田和枝氏の紹介と現在の活動

  • プロフィールと経歴
    • 稲田和瑛(いなだ かずえ)氏。ライター歴約11年。
    • 主にブックライティングを中心に活動し、現在は企業案件も手がける。
    • 著名な実績として、堀江貴文氏やヒトデ氏のブックライティング、まなぶ氏の本のリライトなどがある。
  • 現在の主な仕事内容
    • ブックライティング:月1冊程度のペースで進行しており、スケジューリングが重要。
      • 依頼は既存クライアントからだけでなく、過去の著作の奥付経由や同業者からの紹介も多い。
      • フィーやスケジュール、テーマが合えば受けるスタンス。キャッシュフローの課題はあるが、昨年の売上でカバー。
      • ライター商談会などでもブックライティングのできるライターを探している声は多い。編集者はライター選定に慎重。
    • 企業案件
      • 企業のオウンドメディア記事、広報誌(紙媒体への回帰傾向あり)、ホワイトペーパー(導入事例型、提案資料型など多様)などを手がける。
      • ヘンプロ(編集プロダクション)経由で自治体のオウンドメディアや広報誌も担当。
      • 硬めの文章を書くことが多い。
    • ウェブメディアの仕事は減少傾向
      • 昨年多かったオウンドメディア掲載用の導入事例記事の依頼が今年は激減。AIの影響の可能性も示唆。
  • 紙媒体の仕事の増加と求められるスキル
    • コロナ禍でPDF配布に移行した企業広報誌が、再び紙媒体に戻る動きがあり、紙媒体対応可能なライターへの依頼が増加。
    • 紙媒体の経験とは、文字数制限の中で情報を集約する能力、過去事例からフォーマットを理解し合わせる能力、カメラマン等とのチームワーク、現場取材の経験などを指す。
    • ポートフォリオに紙媒体の実績を載せること、商談会などで現物を見せることが有効な営業方法。

2. ライターの仕事とAI活用

  • 稲田氏がAIに注目した経緯
    • 1年以上前、AIがまだ浸透していない時期から既にAIを活用しており、インタビュアー(話者1)は当時から稲田氏の感度の高さを認識していた。
    • インタビューやブックライティングを行うライターでAIを積極的に活用している人はまだ少ない印象があったため、稲田氏に話を聞きたいと考えた。
  • AIの具体的な活用方法とスタンス
    • 「AIにできることはなるべく頼む」スタンス。ただし、AIが出力したものをそのまま納品することはなく、あくまで「下ごしらえ」をしてもらう感覚。人間が「仕上げ」を行う。
    • (周囲にAI活用を公言しているライターが少ないため、SNS等でのAIに関する発言は控え、サブアカウントで情報収集している。)
    • 活用例:
      1. 打ち合わせ議事録作成:決定事項や期日などをまとめてくれるため、複数案件管理に便利。
      2. 取材先の調査:企業情報などをAI(Geminiなど)にまとめてもらう。
      3. 取材の質問案作成
        • 導入事例など型が決まっているものはAIが出したものをほぼそのまま使えることも。
        • ブックライティングでは、AIの提案を叩き台に練り直す。
        • プロンプト例:掲載媒体、読者層、記事の狙い(成功談か、失敗からの再起かなど編集者と確認)、取材時間などをインプットし質問案を依頼。
        • 使用AI:Gemini 2.5 Pro、Claude 3 Sonnet。7割程度は良い質問を出してくれる感覚。
      4. 文字起こし<u>AIではなく人間に外注</u>
        • 理由:AIの文字起こし精度は8割程度と感じており、それを元に原稿を作成すると質が6割程度に落ちると考えているため。固有名詞の間違いや助詞一つでの意味変化など、AIはまだ信用しきれない。人間の耳の精度を重視。外注先もNotionやAIツールを活用した上で整えているはず。
      5. 構成案作成
        • AI(特に最近のGemini)は良い構成案を出すことが多い。資料の量で精度が変わる。
        • インタビュー記事程度なら良い案が出るが、ブックライティングではAIと共に考え、編集者や著者の意向を反映させる作業が必要。
        • プロンプト例(インタビュー記事):媒体情報、読者層、狙い、編集者からの指示、文字数などをインプット。
        • 人物深掘り系は難しい。ロジカルなものは得意(AIは左脳のアウトソースという認識)。
        • コツ:トピックを洗い出させ箇条書きにし、フォーカスする点を指定してから構成案を作らせる(話者1も同様の手法を実践)。これはAI未使用時のブックライティング手法(付箋などでキーワードを物理的に整理する)に近い。
        • 見出しの粒度:記事は見出しのみで十分。ブックライティングは章立てとその下の項目レベルまで。
      6. 原稿の下書き
        • 導入事例記事はAIが上手い。
        • その他インタビュー記事も、掲載メディアの特性や狙いをAIにインプットすれば良いものを出す。
        • ブックライティング(特にビジネス書などロジカルなもの)も良いが、AI特有の癖(AI臭さ、熟語の多さなど日本語の不自然さ)が残るため修正が必要。インタビューからどこを拾うか壁打ちしながら、構成案を細かくして再出力させることも。
        • 長文は苦手なため、見出しごと(数百字~2000字程度)に書かせる。
        • AI原稿の評価(導入事例):65~70点程度。すっきりし過ぎるため、困っていた状況のリアリティや現場感(汗臭さ)など「右脳的」な要素を人間が加筆する必要がある。企業直請けの場合、このクオリティでも通ってしまうことがあるため、編集者視点でのセルフチェックが重要。
      7. ファクトチェック
        • AIはしれっと嘘をつくことがあるため、人間の嗅覚で怪しい箇所を探す。
        • Perplexity AIに文章の正誤を尋ね、情報源のリンクを確認する。
        • 過去にAIが提示した誤情報(大使の名前間違い)で問題になった経験あり、慎重な確認が不可欠。
    • 使用AIツールの使い分け
      • Gemini 2.5 Pro, Claude 3 Sonnet:質問案、構成案、文章作成(メイン)。
      • Perplexity AI:ファクトチェック。
      • ChatGPT:壁打ち。
      • NotebookLM:ブックライティング時の大量データ(過去の著書、記事など)の読み込み・整理(文章作成には不向きだが、大量の資料を扱える)。
      • 複数のAIに触れ、どれかが使えなくなった時の保険とし、また常に良いツールを模索している。

3. AI台頭によるライター業界への影響

  • 稲田氏自身の仕事への影響
    • 数社、不自然に依頼が止まった企業がある(マーケティングコンサル会社などITリテラシーが高い企業)。関係悪化や評価低下ではなく、AIに代替された可能性が高いと推測。
    • 現状はまだAIの恩恵(業務効率化)の方が大きい。
  • 他のライターへの影響
    • SEO記事を主に受けていたライターは仕事が止まったという話をよく聞く。
    • 稲田氏自身も、知人から紹介されたウェブマーケコンサル会社のSEO記事案件(複数ライターが参加)が一斉に停止した経験があり、AIによる内製化か低コストライターへの移行と推測。
  • マーケター側の動き
    • インタビュアー(話者1)のヒアリングでは、マーケターはSEOライターを10人から3人に減らしたなどの事例を聞く。
    • アーリーアダプター層(マーケティング会社など)は既にAIを活用し内製化を進めているが、まだ対応できていない企業も多く、今後半年~1年で内製化が広がり、案件が急減する可能性を指摘。

4. 今後活躍できるライター像

  • AIに代替されにくい能力・資質
    1. 人間性・人間力
      • 「この人と仕事がしたい」と思わせる力。コミュニケーションコストが低い、やり取りが楽しいなど。
      • 誠実さ、人柄の良さ、賢さ。
      • 東洋経済オンライン編集者・岡本氏の記事を引用し、AI時代に生き残るライターの要素を紹介。
    2. 現場対応力:取材現場での状況判断、トラブル対応能力。
    3. 企画力:稲田氏自身は持っていないが、重要と認識。
    4. 周辺業務への対応力
      • 取材先を見つけてこれる(アポ取り含む)。
      • 写真撮影ができるなど、ライティング以外のスキル。
    5. 「右脳的」な編集・加筆能力:AIが出すロジカルな文章に、エモーショナルな要素、共感、エピソード(AIは要約時にカットしがち)などを加える力。情景描写のための多角的な質問力も含む。
  • 稲田氏自身が評価されていると考える点
    • 「それっぽく、なんとなくそつなくこなす」ところ。
    • 現場での落ち着き、貫禄(特に年配者や社会的地位の高い方へのインタビュー時)。これは意識して作っている部分もある(服装など)。
  • ライターの参入障壁の変化
    • 稲田氏の仮説として、AIによって書きやすい仕事が代替されることで、ライターの参入障壁は「元に戻る」可能性がある。かつては商業レベルの文章が書けなければライターになれなかった時代のように。
    • ただし、AIを使いこなした上で質の高いものを出すという、よりシビアな状況になる。
  • クライアントの意図を汲み取る能力
    • アウトプットが良くても、編集者や読者が求めるものでなければ意味がない。
    • 記事のKPI(PV、資料請求、セミナー参加など)を理解し、読者の行動を促す書き方ができること。
  • 優秀なライターの普遍性
    • AI台頭以前から優秀だったライター(クライアントの目的やKPI、読者ニーズを本質的に理解できる人)は、AIを使いこなすことでさらに活躍できる。
    • 現在活躍しているライターは、他業種でも成功できそうな人が多い。
  • マーケティング的視点、セールス的視点の必要性
    • 特に企業案件では重要。クライアントのビジネスに貢献する意識。
    • もし弟子がいたら、まずマーケティングを学ばせる(稲田氏のnote「BtoBライティング」がライターに必要なマーケティングの基礎を網羅していると示唆)。
    • ファネルやカスタマージャーニーを理解し、記事がどの施策に該当し、顧客をどの段階まで進めるためのものかを把握することが、何を書くべきかの理解に繋がる。

5. ライターとしての心構えとキャリア戦略

  • 「いい仕事がしたい」という情熱・スタンス:小手先でなく、仕事への向き合い方がインタビューなどにも伝わる。
  • コスパ・タイパ至上主義への警鐘
    • すぐに成果が出る学びも必要だが、他者も容易に学べる。最終的に生きるのはじっくり取り組んだこと(困難な案件、苦手な原稿との格闘、外国語学習など)。
    • ライターは20~30年続けるのが当たり前の世界であり、中長期的な視点が重要。
  • 長期的な視点でのキャリア構築
    • 細く長く続けることの価値。例えば、子育て中に月1本でも10年続ければ120本の実績になり、歴10年のライターとして評価される。10年続けるライターは少ないため、継続自体が強みになる。
    • 全力でなくても、他のことをしながらでも良い。
  • 変化の激しい時代における複数のスキルや保険の必要性:どの技術が発展し、何が傾くか予測困難なため、ライティング以外のスキル(イラスト、デザイン、カメラなど)を学ぶことも有効。
  • 能力を活かせる環境を選ぶことの重要性
    • ライターのフィーは、能力よりもクライアントの予算に左右される面が大きい。お金を稼ぎたいなら、お金が流れている場所で書くべき。
    • AIが活かしやすい環境か、下りのエスカレーターでないかなど、マクロな環境認識も必要。
  • SEOの将来性と「いい記事」の価値
    • AIがSEO記事を書くようになると、ウェブ上の情報がAI生成物で循環する「蛇が自分の尻尾を食べる」状態になる懸念。
    • PVは落ちてもCVは落ちていない企業もある。ライトユーザーはAIの回答で満足するが、本気で悩んでいる人は企業サイトに辿り着くため、むしろ質の高いリードが集まる。
    • 企業は自社サイトを「より良い記事」で埋めようとするため、質の高い記事を書けるライターは引き続き必要とされる可能性がある。
    • 検索エンジン自体のあり方やSEOという概念が残るかどうかも注視が必要(AIに直接聞くスタイルの普及)。
    • 「いい記事」とは、CVRが高い記事、あるいはブランディングを高め信頼を獲得できる記事。
  • 宙ぶらりんの状態に耐える力、他の仕事との両立:フリーランスとして不安定な状況に耐えるメンタル、あるいは時給制の仕事と両立し、徐々にライター業の比重を高めるなどの戦略も有効。

6. ライターを目指す人へのアドバイス

  • ライターを始めた動機の再確認
    • 「書くことが好き」「書くことを仕事にしたい」という動機か、「参入障壁が低く、気軽にできる副業だから」という動機か。
    • 後者の場合、現在のライター業界の状況(地盤が崩れる可能性)を鑑み、他の副業も検討した方が良いかもしれない。
    • 簡単だからという理由で始めた人は、現状で目標額を稼げているか、自身の成長速度と業界の変化の速度を比較し、キャリアを再考すべき。
  • 取材スキルの重要性:インタビュアー(話者1)がラボで取材講座を始めたことは先見の明があると稲田氏も評価。
  • ライターという仕事の魅力と奥深さ:長く続けられ、頭が働く限り死ぬまで書ける可能性のある、魅力的で奥深い素晴らしい仕事である。

7. 質疑応答より

  • ブックライティング月1冊の並行方法:取材と執筆の時期をずらす。執筆期間を2ヶ月もらいバッファを持たせる。遅延は常なので、バッファが活きる。あとは根性。
  • 紙媒体経験の営業方法:ポートフォリオに明記。企業の広報誌はクレジットが出ないことが多いので、商談会で現物(担当箇所に付箋)を見せる。ウェブ記事も印刷してファイルで示す。
  • ホワイトペーパーとオウンドメディアの違い:ホワイトペーパーはDL資料。事例型かパワポ資料型かで異なる。パワポ型はプロダクションが要点をまとめてくれることも。デザインまで求められることは稀。

終わりに
稲田氏は、AIの進化という大きな変化の中で、ライターが今後どのように価値を発揮していくべきか、具体的なAI活用法からマインドセット、キャリア戦略まで、多岐にわたる視点と具体的な提言をされました。現状への危機感と、ライターという仕事への深い愛情が感じられる内容でした。
本まとめが、今後の活動の一助となれば幸いです。
<u>改めて、本内容に関するSNS等への感想の投稿はお控えください。</u>