※AIツールを利用して、今回の話を要約しました。
ほぼ修正はしてないので実際の内容と相違している部分があります。
参考資料としてお使いください。
【講義概要】 ブックライターという仕事のリアル
この講義は、さとゆみさんの新刊『「本を出したい」という本』の出版を記念して行われた特別講義です。
今回は、本を出したい人だけでなく、すべてのライターにとって有益な「ブックライター」という仕事について、その生態から必要なスキル、なり方、そして報酬面まで、さとゆみさんが自身の経験を元に赤裸々に語ります。
■ はじめに:講義のスタンスと注意事項
- ハッシュタグ: 感想はハッシュタグ「 #本を出したい 」で投稿を。(「が」は不要)
- 情報公開: 基本的に講義内容はSNSなどで自由に発信してOKです。(「オフレコ」と指定された部分を除く)
- 質問: 講義中、いつでもチャットで質問可能。
- 講義の対象:
- 主に商業出版のビジネス書・実用書に関する話です。
- 自費出版、Kindle出版、ブランディング出版は専門外のため、今回の話が全てのケースに当てはまるわけではありません。
■ 本日の品書き(講義の流れ)
- ブックライターの生態
- ブックライターに必要な能力
- ブックライターになるためには
- なぜ今、書籍のライターなのか
1. ブックライターの生態
◆ ブックライターとはどんな仕事か?
- 定義:
著者(世の中に役立つコンテンツを持つ人)に代わって、書籍の文章を執筆するプロのライター。 - ゴーストライターとの違い:
- 「ブックライター」という言葉は、2012〜2013年頃に上阪徹さんが名付け親。
- 「ゴースト(幽霊)」のように存在を隠すのではなく、プロの専門職として認識されています。
- 現在、ブックライターの仕事はほぼ100%クレジット(名前)が掲載されます。
- プロのチームの一員という位置づけ:
- 本作りには、著者と編集者を中心に、デザイナー、イラストレーター、フォトグラファーなど様々なプロが関わります。
- ブックライターもその中の一員であり、「10万字の文章を書く」という特殊技能を提供する専門スタッフです。
◆ ブックライターの現状
- 圧倒的な人手不足:
- 書けるブックライターが非常に少なく、出版社は常に良いライターを探しています。
- さとゆみさん自身、今年に入って6冊の依頼を断り、7人のライターを紹介したほど、仕事の依頼が殺到しています。
- 売れっ子ライターは1年〜2年待ちも珍しくありません。
- 高い参入障壁:
- 一方で、新規参入は非常に難しいです。
- 1冊10万字というボリュームのため、失敗したときのリスクが大きく、出版社は新人起用に非常に慎重になります。
- しかし、人手不足のため、新規参入する方法はあります(後述)。
◆ ブックライターあるある(仕事のリアル)
- 企画が飛ぶことがある:
- 取材後や、10万字を書き上げた後でも、本が出版されないことがあります。
- 理由:著者の都合(多忙、業績不振)、トラブル、ライターの原稿が基準に満たないなど様々。
- 企画が飛んだ際の報酬:
- 取材のみで終了した場合:数万円程度(拘束日数による)。
- 執筆後に流れた場合:初版印税分(さとゆみさんの場合は50万円)など、契約によります。
- 書籍は絶版になる:
- 「紙の本は残る」と言われますが、売れ続けなければ絶版になります。
- 在庫を抱えるリスクがあるため、これは仕方のないことです。
- 報酬面の実態:
- 時給換算すると厳しいことも多いです。
- 印税契約の場合:
- ライターの取り分は3%〜5%が相場。
- 例:1,800円の本、初版4,000部、印税3% → 216,000円。
- 重版がかからないと、生活していくのは困難です。
- 原稿料契約の場合:
- 40万円程度の買い切りなど。この場合、重版しても追加報酬はありません。
- 最近の傾向「初版保証」:
- 初版時に最低保証額(例:40〜50万円)を受け取り、重版分からは印税を受け取るハイブリッド型。
- 電子書籍:
- 紙代や印刷代がかからないため、印税率が高くなる傾向があります(著者とライターで25%を分けるケースも)。
- 出版社ごとの「お作法」:
- ライターに求める役割や仕事の進め方は、出版社(版元)によって大きく異なります。
2. ブックライターに必要な能力(ライターの総合格闘技)
ブックライターは、単なる「聞き書き」の仕事ではありません。聞いたことをまとめるだけでなく、新たな物語を作る力が求められます。
◆ インタビューライターとの決定的な違い
- インタビューライター:
- 聞いた話の6〜7割を「捨てる」仕事。面白いトピックが1つあれば成立する。
- ブックライター:
- 聞いた話のほとんどを「使う」仕事。取材時間のほぼ全てが使える内容でなければならない。
- そのため、使える話を漏れなく引き出す取材力と、それを10万字の物語に仕立てる構成力が極めて重要になります。
◆ ブックライターに必要な6つの力
① 相場観
- 読者が「何に価値を感じ、何を面白いと思うか」を理解する力。
- そのテーマが、世の中にとって「新しいか、古いか」を判断する感覚。企画力とほぼ同義です。
② 取材力
- 読者の代表として質問する力:
- 読者がどこでつまづき、どうすれば実践できるかを考え、専門家である著者に質問を重ねます。
- 聞き出すべきこと:
- 著者の当たり前だが、読者には新しいこと。
- 著者自身もまだ言語化できていないこと。
- 著者が感覚的に行っていることを、質問を通じて言語化し、メソッドに落とし込むのがライターの重要な役割です。
- これができると、著者のビジネスが大きく発展することもあり(例:スタイリストスクール開校)、非常にやりがいのある部分です。
- 事前準備の重要性:
- 専門外のテーマでも、質問できるレベルまで知識をインプットします。
- さとゆみさんの勉強法:
- 雑誌の特集を読む: 『東洋経済』『週刊ダイヤモンド』など、ビジネス誌の特集を複数読み、業界の「相場観」を掴む。
- 書籍・Webで深掘り: 相場観を持った上で、関連書籍やWeb記事を読むことで、情報の位置づけが理解できる。
- 情報収集の経費: 必要な書籍代などは、経費として出版社に相談可能です。
- テープ起こし: 必ず経費で依頼しましょう。ブックライターの報酬を守るために重要です。
③ 構成力
- 10万字の原稿をどういう順番で物語にするか、という設計力。
- さとゆみさんの構成術:
- テープ起こしから、キーワードやキーセンテンスをExcelに書き出す。
- それを宛名シールに印刷する。(現在はアプリ「Scrivener」で代用)
- A4用紙に、章ごとにシールを貼り付け、全体の構成(目次)を組み立てる。
- この構成案を元に執筆する。
- 執筆前にしっかり設計図を作ることで、執筆後の大きな手戻りを防ぎます。
④ 文章力
- 読者が「面白い」「やってみたい」と感じる文章を書く技術。
- 単にノウハウを並べるだけでなく、「なぜそうするのか」という理由を丁寧に説明することで、読者の行動を促します。
- 詳しくは『「本を出したい」という本』のChapter5, 13に詳述。
⑤ コミュニケーション力
- 【最重要】著者と1対1で直接やり取りしない。
- 必ず編集者を介してコミュニケーションを取ります。
- これはライター自身をトラブルから守るため、そして本の最終的な責任を負う出版社との齟齬をなくすために極めて重要です。(「セクシー田中さん」の件にも言及)
- 著者の人生を預かるという覚悟と、編集者と良好な関係を築く力が求められます。
⑥ 持久力(体力)
- 徹夜で乗り切ることは不可能です。
- 1日6〜8時間、2週間程度、毎日コンスタントに書き続けられる体力と習慣が必要です。
- 執筆ログを取り、自分の執筆ペースを把握することで、進捗を可視化し、精神的な安定を保つことも有効です。
3. ブックライターになるためには
新規参入は難しいですが、方法はあります。
- STEP 1:インタビュー原稿が書けるようになる
- これはブックライターになるための最低条件です。
- STEP 2:ブックライターのコミュニティに所属する
- 最もおすすめなのは「上阪徹のブックライター塾」。
- 理由:
- 編集者が塾の卒業生に直接依頼に来る。
- 卒業生のネットワークが強く、同期から仕事を紹介してもらえるケースが非常に多い。
- ブックライターの近くにいることが、仕事を得る一番の近道です。
- STEP 3:企画を持ち込む
- さとゆみさん自身、最初の5冊はすべて持ち込み企画です。
- 企画の立て方は『「本を出したい」という本』に詳述されています。
- 企画のコツ:
- たった1人の編集者を口説く: 編集長などではなく、担当者レベルの1人を味方につければOK。
- 課題解決のサイズを絞る: 競合が多いテーマでも、読者を「小学生」などに絞ることで、独自の切り口が生まれる。
- テーマの旬を意識する: 今そのテーマがどのライフサイクルにあるかを考える。
4. なぜ今、書籍のライターなのか?
Web全盛の時代に、なぜあえて紙の本なのか。さとゆみさんは「本には未来がある」と考えています。
- 健全なビジネスモデル:
- Webメディアは広告収入に依存し、ビジネスモデルとして岐路に立たされています。
- 一方、書籍は100%読者がお金を払うというシンプルで健全なモデルです。「読者が本当に欲しい本を作る」ことに集中できます。
- 読者の人生を変える力:
- 本は、読者が時間と労力をかけて能動的に読むメディアです。
- そのため、Web記事では難しい「人の人生を変える」ほど深い影響を与えることができます。
- 社会の起点になれる仕事:
- 1冊の本がきっかけで、著者の活動が広がり、多くの人の助けになる。その「起点」を作る手伝いができるのは、ブックライターの大きな魅力です。
5. 質疑応答まとめ
- Q. 全くの未経験からでもライターになれますか?
- A. なれます。「ライターになりたい」と宣言し、行動を始めることが第一歩です。
- Q. 執筆の体力はどうすれば鍛えられますか?
- A. 毎日のルーティン化です。徹夜に頼らず、毎日少しずつでも書き続ける習慣をつけることで、筋トレのように体力はついてきます。
- Q. 取材が失敗した時のリカバリー方法は?
- A. 書籍は著者と何度も会えるため、リカバリーは可能です。執筆後に疑問点を解消するための「追加取材日」をあらかじめ確保しておくと万全です。
- Q. 子育て中で時間が限られていますが、活躍できますか?
- A. できます。むしろ、スケジュール調整が比較的しやすいため、時間や場所に制約がある方でも取り組みやすい仕事です。
- Q. 編集者とどうすれば知り合えますか?
- A. 講座やセミナーに参加するのが最も効率的です。そこで熱心に質問し、企画を持ち込みたいと伝えれば、話を聞いてくれる可能性は十分にあります。
■ 告知
- さとゆみさんの新刊
- 『「本を出したい」という本』(CEメディアハウス)
- 後書きから読むのではなく、ぜひ最初から順番に読んでください。
- 関連イベント
- 4/20(土) NHKカルチャー青山教室「本を出したい人のための『基本のき』」
- 5/14(火) 梅田ラテラル「シャープさんと語る『サラリーマンが本を出すということ』」
- どちらもオンライン・アーカイブ視聴可能です。
